空き家を放置するリスクとは? 空き家の管理はどうするべき?

近年増加している空き家問題ですが、自分は関係ないと思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、実は空き家問題は誰にでも降りかかる可能性のある身近な問題です。例えば相続で空き家を手にすることもあれば、転居に伴いこれまで住んでいた住宅に買い手がなかなか見つからず空き家になってしまうなんてことも考えられます。また現在空き家を抱えていて、管理やメンテナンスにお悩みの方も多いかと思います。そこで今回は、空き家を放置することによって発生するリスクと、空き家の管理方法について詳しく解説をしていきます。

空き家と聞くと、「誰も住んでいない家」というイメージが一般的かと思います。もちろん空き家ですので誰も住んでいないという状態の家のことを指しますが、実は空き家にはその状態に応じた種類分けがされています。空き家について理解を深めるために、ここでは国土交通省で規定されている空き家の種類についても簡単にご紹介していきます。

二次的住宅には、「別荘」と「その他」の2種類の分類があります。別荘は、“週末や休暇時に避暑・避寒・保養などの目的で使用される住宅で、ふだんは人が住んでいない住宅”と定義されています。別荘には空き家というイメージがなかなかないですが、人が定住している住宅ではないため実は空き家として分類されているのです。その他の空き家は、“ふだん住んでいる住宅とは別に、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅”と定義されています。お仕事が忙しい方や、自宅と職場の距離がある方、交通機関がない時間帯に職場に出入りする方などはこうしたセカンドハウス的な住宅を所有していることもありますよね。定期的に出入りはしていても定住しているわけではない住宅も、分類上は空き家となります。

賃貸用の住宅で一時的に居住者が見つからず、現状誰も住んでいない住宅は、空き家と定義されます。国土交通省では“新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅”とされ、入居者がいなければ空き家の分類となります。

売却をするために保有している住宅で誰も住んでいない場合は、空き家となります。国土交通省では、“新築・中古を問わず、売却のために空き家になっている住宅”と定義されており、売却用住宅でも売れなければ空き家であるという認識になります。特に戸建て住宅は築年数によっては売りにくい不動産となるため、「転居に伴い今まで住んでいた家を売却に出したけれど売れずに、管理が行き届かずそのまま空き家になってしまった」というケースは多いです。今後住宅の売却を考えている方は注意しなければいけません。

これまで紹介してきた住宅に当てはまらず、“転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅など(空き家の区分の判断が困難な住宅を含む)”を、その他の住宅の空き家として分類しています。空き家問題として取り上げられる多くの住宅が、このその他の住宅に分類されている空き家です。取り壊しにも数百万円単位でお金がかかるため、所有者がはっきり分かっていても対処できていないというケースも多いです。

「空き家問題」と言われるほど近年空き家の増加や、社会的に与える影響が問題になっています。しかし空き家問題と言われても、人が家に住んでいないだけで具体的にどんな影響を与えるのか、空き家を所有した際に発生するリスクがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。空き家自体のイメージはついても、空き家が社会的に与える影響までは予測が難しい部分がありますよね。そこでここでは、空き家の管理やメンテナンスを放置することで発生するりクスについても解説していきます。

適切に管理されていない空き家は、雨漏りや獣害、害虫被害などで外観で見るよりも住宅内部が傷んでいるケースが多いです。長い期間放置されていたり、空き家そのものの築年数が古い場合は、いつ倒壊してもおかしくはありません。近隣住宅の敷地と近い位置に建築されている場合は、倒壊をした際に近隣住宅に被害を与えたり、通行人に怪我をさせる可能性もあります。空き家の管理不足で発生した被害は、空き家の所有者に損害賠償請求されるため、空き家だからと放置するのは大変危険です。

空き家は人の出入りがなくなるため、野生動物が住み着いたり、野生動物の糞尿に害虫が寄ってきてしまうことがあります。その結果、空き家から野生生物や害虫の死骸や糞尿の異臭が広がるようになり、近隣住民の住環境を害することになります。また、空き家を拠点とした野生生物が他の住宅の敷地を荒らしたり、屋根に住み着いたりなど二次的被害も懸念されます。このように空き家の放置は、地域の衛生環境を害するリスクが高まります。

空き家の管理が不適切で長い期間放置されていると、空き家の周りの衛生環境が悪くなるだけではなく、空き家の外観が地域の景観を損なう原因になります。きれいに整備された地域でも、空き家ひとつあるだけで印象が変わってしまいます。きちんと管理されていれば空き家が地域にあっても、整備されたきれいな景観を保つことは可能です。しかし放置された空き家があることで衛生環境が悪く見えてしまい、夜は不気味な雰囲気になってしまうため、地域住民に不快さを与えてしまいます。

空き家は、不法侵入者やホームレスが住み着く場になることがあります。また人の出入りがない環境から、ときに犯罪の温床となることがあります。例えば詐欺グループの拠点になってしまったり、粗大ゴミの不法投棄の場になってしまうといったリスクが考えられます。その結果、地域全体の治安も悪化し、人が寄りつきにくい場所になっていってしまうのです。

不法投棄が原因であったり、所有者以外の出入りにより、電気系統の故障の放置やタバコの不審火などで火災の現場になってしまうことがあります。火災は空き家だけの被害だけではなく、近隣住宅への被害にもつながる可能性があります。特に乾燥する冬の時期などは空き家が火元となる火災が発生しやすく、所有者は特に注意しなければいけません。

空き家があることでその地域の不動産価値が下がってしまうことがあります。管理がされていない空き家が地域にあるというのは、これからその地域に住もうと考えている方にとっては大きなデメリットで、避けたい条件でもあります。空き家を売却したいと考えていても、自分の空き家の管理不足や、地域に空き家が増えていくことで地域全体の不動産価値を下げてしまうリスクがあります。

空き家を放置することで、さまざまなリスクがあることを知っていただくことができたかと思います。しかし空き家の管理不足においては、時に法的措置の対象になることがあるとうことをご存じでしょうか。空き家の管理不足や放置は、地域に大きな悪影響をもたらすため、市町村からの勧告が行われます。しかし勧告を無視すると、最終的には行政代執行が行われることがあるのです。空き家の所有者の方は絶対に知っておいていただきたい部分ですので、ここでは空き家に対する法的措置の内容やその流れについて具体的に解説をしていきます。

◎参考元:国土交通省HP
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001385948.pdf

管理不全空き家とは、窓や壁が破損しているなど住宅としての管理が不十分な状態の空き家のことを言います。管理不全空き家は市町村から指定を受けるため、市町村の調査により管理不全空き家と指定された場合は、法的措置の対象になります。これまでは次に解説をする特定空家等のみが法的措置の対象でしたが、現在は管理不全空き家も法的措置の対象になっているため、指定を受けたら改善を行う必要があります。

空き家にはさまざまな分類がありますが、その中でも「特定空家等」に指定されると、市町村からの勧告や指導を受けることがあります。特定空家などとは、以下の4つのどれかに該当すると指定されるものです。

特定空家等に指定された空き家の所有者は、このいずれかの改善すべき空き家の状態に該当していると認識をしましょう。

特定空家等に指定されると、市町村から勧告や指導を受けます。空家特措法の「助言又は指導(14条1項)」において、“特定空家等に対しては、除却、修繕、立木竹の伐採等の措置の助言又は指導、勧告、命令が可能”とされており、空き家の所有者は市町村から勧告や指導を受けた場合は、その内容に沿って改善を行う必要があります。指導や勧告を無視し続け、最後の命令(14条3項)も無視した場合は、50万円以下の過料を科される可能性があります。

過料を科されても放置されている状態の特定空家等に関しては、行政代執行法が執行されます。行政代執行法は、周辺の住宅や住環境に大きな悪影響を及ぼしている際に執行されることが多く、ゴミの撤去や倒壊リスクのある家屋の解体などが行われます。またこの際の費用は所有者に請求されます。自分の持ち物であっても、空き家を強制的に解体されてしまう可能性があるため、市町村から勧告や指導を受けたタイミングで改善するのが望ましいです。

もう一点知っておいていただきたいのが、固定資産税についてです。市町村から勧告が発せられた特定空家等や管理が十分にされていないと判断された空き家に関しては、固定資産税が3倍もしくは6倍に設定されてしまいます。住宅用の土地においては、200㎡以下の部分は評価額の6分の1に軽減、200㎡超の部分は評価額の3分の1に軽減されるため、3倍もしくは6倍に跳ね上がる固定資産税がいかに大きな増額か分かります。

空き家の管理を適切にできていないと、法的措置の対象になる可能性があると知っていただくことができたかと思います。しかし、空き家の管理と言ってもどんなことをすればいいか分からない方も多いです。そこで最後に空き家を適切に管理する方法について、ご紹介していきます。空き家の所有でお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。

空き家の問題は、建物そのものだけではなく、敷地内から伸びた木の枝や雑草が道路や近隣住宅の敷地に侵入してしまうこともあげられます。そのため、定期的に空き家に足を運び、敷地内からはみ出そうな木の枝や雑草を伐採しておくことが大切です。通常の戸建ての庭のような感覚で管理しても問題ありません。ただし竹が敷地内にある場合は要注意です。竹の根は頑丈で繁殖スピードも速いため、近隣敷地に侵入してしまうとブロック塀や敷地内の置物などを簡単に壊してしまう可能性があります。竹は自分で完全に根を取り除くのが難しいケースもあるため、園芸関係の業者に相談しましょう。

住宅は人が住んでいないと、人の出入りがなくても室内にホコリやチリが蓄積していきます。こうした環境は野生生物を呼び寄せるきっかけともなるため、定期的に出入りして人の気配を残しつつ、清掃をしておくようにしましょう。きれいに掃除された家は人の存在感も残りますし、一見空き家に見えないため不法侵入や不法投棄の被害から住宅を守ることもできます。

空き家を倒壊リスクや野生生物による被害から守るためには、適切な時期にメンテナンスすることが一番大切です。メンテナンス範囲は主に屋根や外壁、窓や建具、外構設備です。メンテナンスは部位によって10年~15年に一度の工事が必要になり、またさらにしっかり安全を確保していくためには年に一度程度の点検が必要になります。雨漏りが発生すると建物が傷む可能性があるため、人が住んでいなくても雨漏りや劣化から住宅を守る必要があります。メンテナンスや点検は、知識のあるプロの業者に依頼して対応してもらうと安心です。

今回は空き家の種類や特定空家等の法的措置の内容、空き家の管理方法について解説をしてきました。なかには難しい内容もあったかと思いますので、今後のコラムでより詳しく解説をしていきます。空き家を抱える多くの方は十分な管理ができておらず放置してしまっているのが現状ですので、まずは空き家を住んでいる家同等にしっかりと管理していく必要があります。ただし空き家のメンテナンスや点検を自分で全て計画して業者を手配するのは、とても大変な作業です。そこでぜひ活用していただきたいのが、弊社の建物管理サービス「すみやす」です。プランに応じた月額料金を支払うことで、年に一回の点検から雨漏り確認、敷地内のゴミの処理まで一貫して弊社にお任せいただけます。空き家の管理にお悩みの方は、ぜひ弊社の建物管理サービス「すみやす」をご利用ください。

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