空き家問題が深刻化している中、新しい活用法として「シェアハウス」が注目を浴びているのをご存じでしょうか。単なる住まいの提供に留まらず、地域の活性化や交流の場としても機能しています。空き家を管理していくうえでやはり気になるのが、継続的に続く出費ですよね。出費を少しでも減らしたい、またできれば収入に変えていきたいと思うことは当然です。そこで今回の記事では、空き家をシェアハウスに変えるメリットや、地域活性化につながった成功事例、注意点などを紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
空き家をシェアハウスにするメリット
空き家をわざわざシェアハウスしてまで得られるメリットとは一体なんなのか、気になりますよね。空き家のオーナーのみなさんは、手元の資産が減ることを一番恐れています。そのため、シェアハウスにしてもし上手くいかなかったら、と不安になってしまうのです。しかし、実際のところ空き家をシェアハウスにするメリットは、とてもたくさんあります。もちろん必ず成功すると言えるものではありませんが、状態のいい空き家を持て余してしまっている、という方にはぜひオススメしたい活用法でもあるのです。そこでまずは、空き家をシェアハウスにして、具体的にどのようなメリットが得られるのか一緒に確認をしていきましょう。
収益性の向上と維持費の軽減
空き家を放置すると、固定資産税や修繕費用がかさむ一方で、収益を生むことはありません。空き家は定期的なメンテナンスが必須ですし、その維持費は定期的にかつ半永久的に発生していくものです。しかし、シェアハウスに転用することで、定期的な家賃収入が見込めるだけでなく、建物のメンテナンスを建物の管理費として収益することで、家主の負担を減らすことができます。また、空き家を収益化することで、その価値を再認識するきっかけになり、長期的な財産管理の一環としても有効です。空き家は負の遺産と言われがちですが、このように新しい活用法を見出すことで、収益化できる可能性のある資産となるのです。
地域活性化への貢献
シェアハウスは地域に新たな住民を呼び込むだけでなく、住民同士や地域とのつながりを生み出します。これにより、過疎化が進む地域に活気が戻り、地元の商店街や観光地も賑わいを取り戻すことが可能です。例えば、シェアハウスの住人が地域イベントに参加したり、地元の特産品を共同購入する取り組みを始めることで、地域全体が恩恵を受けることが期待されます。特に空き家の所有している地域に馴染があり思い入れがあるような方にとっては、自分がシェアハウスのオーナーとして人を呼び込み、新たな交流を生み出すことで地域活性化につなげることができ、家主にとってもその地域にとっても大きなメリットとなります。
空き家の特徴が生かせる
例えば空き家の庭がとても広い、屋上に広いスペースがある、人気観光地や学校の近くにあるなどの特徴がある場合は、その特徴をシェアハウスで活かすことができます。シェアハウスと聞くと若い10代～20代後半までの男女が入居を希望すると思ってしまいがちですが、特徴を生かしてターゲットを絞り込むことでよりコアな層に人気が出ることがあります。例えば広い庭は大型犬とシェアハウスできる場所を探している方にとってピッタリですし、学校の近くなどでは留学生が同年代の人との日本らしい生活を求めてシェアハウスを探していることもあります。そのため、空き家に特徴がある場合、売却だけではなくシェアハウスの活用に生きることもあるのです。
社会的孤立の解消
現代社会では、特に都市部で孤立する人が増えています。シェアハウスでは、入居者同士が日常的に顔を合わせ、助け合いながら生活することが可能です。これにより、孤独感の軽減や精神的な支えを得ることができます。空き家をシェアハウスにすることは、社会的課題の解決にも一役買う取り組みといえるでしょう。若い世代から高齢世代問わず、ひとりで生活することに不安を感じている方は実はとても多いです。そういった方に共同生活の場を提供できるという意味では、ひとつの社会的貢献を叶えているということにもつながります。
住宅の維持管理がしやすくなる
シェアハウスとして空き家を運営することで、空き家が放置されることによる老朽化や不法侵入などのリスクを減らせます。住人が日々使用することで自然と維持管理が行われ、修繕費用も大幅に削減できます。さらに、定期的な住人の入れ替えや清掃によって、建物の寿命を延ばす効果も期待できます。空き家のまま放置してしまうと、定期的な換気や掃除が必要になるため、外部に管理を依頼する費用が発生したり自分で足を運ばなければならない手間なども発生します。しかし人が常に住んでいる住宅ではこのような小さな手間は必要ありません。そのため、空き家の家主として行わなければいけない小さな管理負担が減り、維持管理がしやすくなります。
空き家をシェアハウスにする際の注意点
ここまでで、空き家をシェアハウスにするメリットについて知っていただくことができたかと思います。なんとなくイメージしていた部分もあるかとは思いますが、思っている以上にシェアハウスにするメリットが多かったと感じた方は多いのではないでしょうか。しかし、きちんと計画をせずに空き家をなんでもかんでもシェアハウスにすればいいというわけでもありません。空き家をシェアハウスにする際には、いくつかの注意点に留意しなければいけません。ここでは、空き家をシェアハウスにする際の注意点について詳しく解説をしていきます。
空き家の状態を徹底的にチェックする
シェアハウスに活用する前に、空き家の現状を正確に把握することが重要です。建物が老朽化している場合、特に配管や電気系統、断熱材の劣化が問題になることが多いため、専門家による調査を依頼しましょう。また、シロアリ被害や雨漏りなどの兆候が見られる場合には、大規模な改修が必要になる可能性もあります。これらを見逃すと、後々の運営で大きなトラブルにつながる恐れがあります。特に長い期間空き家状態になっていた家は注意が必要です。見た目では問題ないように見えても、内部が腐っていたり、水道管などのライフラインにトラブルが発生している可能性があります。人に貸す、ということは、その人の安全を家主としてしっかり確保しなければいけない責任が発生します。後から大変な事態にならないように、プロの業者に入ってもらって、しっかりと現状を確認し必要な修理・修繕を行うようにしましょう。
法的規制の確認と遵守
空き家をシェアハウスとして運営する際には、建築基準法や消防法、都市計画法などの法的規制を必ず確認しましょう。特に、用途変更が必要な場合や、防火設備の追加が求められる場合があります。また、シェアハウスの運営にあたり自治体による特定の許可が必要となるケースもあるため、事前にしっかり調査し、必要書類を整えることが重要です。自治体や消防設備関連で消防への届け出などが必要になってきますので、法的制限に不安がある方は、弁護士やシェアハウスの運営に詳しい不動産会社などに相談しましょう。今は代理で申請手続きを行ってくれる業者もいますので、こうした代理申請を活用するのもオススメです。
ターゲット層に合ったリノベーションを行う
シェアハウスの利用者層を想定した設計を行うことが成功の鍵です。例えば、若年層をターゲットにする場合は、Wi-Fi設備や共有スペースを充実させることで魅力が高まります。モダンな雰囲気や、流行のインテリアを取り入れることで、SNSなどで集客につなげることもできますよ。一方、高齢者向けには、バリアフリー設計や安全対策が求められます。普段使う水回りなどの設備のグレードを見る方も多いです。ペット同居型にする場合は、ペットへの配慮も必要です。散歩から帰宅した際の足洗い場があるか、ペット専用のシャワーブースがあるか、大型犬などの受け入れでは十分なスペースの確保も必須となりますよね。このように、ターゲット層に適した設備投資を行うことで、入居者満足度を向上させ、長期的な安定運営を実現できます。
近隣住民との良好な関係構築
空き家をシェアハウスにする際、周辺住民とのトラブルを未然に防ぐため、事前に丁寧な説明を行いましょう。住民が生活音やゴミの管理に対して不安を抱くことが多いため、運営者としての責任を明確に伝え、ルールを徹底することが重要です。また、地域イベントに住人が参加する仕組みを設けることで、地元との良好な関係を築きやすくなります。また万が一トラブルが発生してしまった場合においても、近隣住人との関係性がしっかりと気付けていれば、お互い助け合うことも可能です。シェアハウスの運営では家主がすぐに駆けつけられない状況も多いですので、そうした事情も含めて理解をしてもらえるよう、近隣住人との関係性の構築はとても大切なことです。
運営管理体制の確立
シェアハウスの運営は、単なる賃貸とは異なり、居住者同士のトラブル対応や施設の維持管理が必要です。これには、管理会社の選定やルールの整備が欠かせません。例えば、清掃や修繕のスケジュールを明確化し、緊急時の対応フローを事前に整備しておくことで、運営中のトラブルを最小限に抑えることができます。また運営管理体制を外注するといった考え方もあります。大型のシェアハウスであれば、清掃を定期的に入れる必要がありますし、集客も家主ひとりでは忙しくて手が回らないなんてこともあります。そのため、運営管理体制を外注するかどうかも事前にしっかり決めておきましょう。
長期的な収支計画の策定
空き家をシェアハウスにする場合、初期投資だけでなく、長期的な収益性も考慮する必要があります。具体的には、改修費用や設備投資が回収できるか、また空室リスクにどう対応するかを検討しましょう。さらに、地域の人口動向や競合物件の有無も重要な要素です。長期的な視点で収支を分析し、持続可能な運営計画を立てることが成功のポイントとなります。
まとめ
今回は、空き家の活用をシェアハウスにした場合のメリットや注意点について、詳しくお話をしてまいりました。いつもの空き家管理の記事とはちょっと違った視点からの内容となりまいたが、お役に建てたでしょうか。また今この記事をご覧になられている方は、空き家の今後の方針に悩まれているという方がほとんどかと思います。今すぐに今後の活用を決め切れないという方も多いのではないかと思います。しかし空き家を所有している以上、やはり管理がとても重要ですよね。そのため、今後の方針が決まっていないという方でも、やはり空き家の管理はしっかり行っていく必要があります。空き家の管理にお困りの方は、ぜひ弊社までご連絡ください。お客様の空き家にどんな管理方法が合っているのか、アドバイスさせていただき、またサービスをご案内することもできます。それでは、今後ともよろしくお願いいたします。