冬の間、空き家は特に注意が必要です。寒さや雪、湿気などが影響を及ぼす中で、家の管理をおろそかにすると、想定外のトラブルや劣化が進んでしまうことがあります。特に長期間誰も住んでいない家は、空き家管理が不十分だと設備の故障や火災、さらには近隣トラブルに発展する可能性もあります。冬季の空き家管理では、細かなチェックと迅速な対応が重要です。本記事では、冬に特に注意すべき空き家管理のポイントと、注意したい空き家トラブルについて解説します。
冬の空き家で起きやすいトラブル
冬の空き家では、寒さや湿気、空調設備の不具合などが原因となり、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。特に人が住んでいない家は、定期的な管理が行き届かないため、問題が長期間放置されることが多いです。これにより、空き家の状態が悪化し、最終的には修復にかかるコストが高くなる可能性があります。ここでは、冬の空き家で特に注意が必要なトラブルを紹介し、その予防方法を考えていきましょう。
水道管の凍結と破裂
冬の寒さが厳しくなると、空き家の水道管が凍結し、最悪の場合、破裂することがあります。凍結した水道管は膨張して破裂し、水漏れや大規模な水害を引き起こす可能性があり、特に気温が氷点下を下回る地域ではそのリスクが高くなります。水道管が破裂すれば、修理にかかる費用や手間が非常に大きくなるため、放置しておくと大きな問題に繋がります。
暖房機器の故障
冬季に空き家で暖房が使われていない場合、暖房設備が故障していることに気づかないままでいることがあります。特にエアコンやストーブなどの暖房機器は、長期間使用しないことで不具合が生じ、冬の寒さを避けるために必要な暖房が確保できない事態に。寒さが内部の建材に悪影響を与え、さらに施設全体の劣化を加速させてしまいます。
結露によるカビの発生
外気との温度差が大きくなる冬の時期、空き家の窓や壁に結露が発生しやすくなります。結露した水分は湿気を引き起こし、放置するとカビの発生を助長します。カビは壁や天井を傷めるだけでなく、空き家に匂いや健康に悪影響を与えることがあります。特に湿度の高い地域では、結露に関するトラブルは管理なしでは避けられません。
屋根や外壁の損傷
冬は雪や氷が屋根に積もり、それが溶けて水漏れを引き起こすことがあります。また、雪が落ちることで外壁に損傷を与える可能性もあります。屋根の雪が積もりすぎると、その重さで屋根自体が変形することもあり、放置すると構造的な問題が発生します。特に雪の降る地域では、屋根や外壁の状態を確認しておかないと、大きなダメージにつながる恐れがあります。
窓やドアの隙間からの冷気
空き家では、窓やドアの隙間から冷気が入り込み、室内の温度が急激に低下します。これにより、室内の温度が一定に保たれず、建物内の構造や素材に悪影響を与えることがあります。冷気が入り込むと、壁の塗装や木材にひび割れや腐食が生じやすく、最終的には修理費用がかさむことになります。
不法侵入や盗難のリスク
空き家は放置されることが多く、不法侵入や盗難のリスクが高くなります。冬は窓やドアが閉められていることが多いため、侵入者が外から気づきにくいですが、それでも長期間空き家が放置されると、周辺住民の目も届かなくなり、セキュリティの問題が深刻化します。また、外壁や庭などが荒れると、侵入者にとっては格好の標的になります。
冬の空き家管理で気をつけたいこと
冬の空き家管理では、寒さや湿気に伴う特有のリスクを避けるために、定期的な点検と適切な対応が求められます。これらの問題を未然に防ぐことで、建物を長期間良好な状態で保つことができ、予期せぬ修理費用やトラブルを回避できます。以下に、冬季の空き家管理で気をつけるべき点をいくつか紹介します。これから冬に向かっていくタイミングですので、ぜひ今後の空き家管理にも役立ててみてくださいね。
定期的な巡回と点検
空き家が長期間放置されると、些細な問題が見逃され、大きなトラブルに発展することがあります。定期的に空き家を巡回し、外観や内装に異常がないか確認することが重要です。特に水道管の凍結や暖房設備の故障がないか、窓やドアの閉め忘れがないかチェックすることで、早期に問題を発見し、対応することが可能です。また近年は戸建て住宅や資産を狙った強盗なども増えています。空き家が狙われるケースは少ないものの、犯罪のための待機場所などに使われてしまうリスクもあるため、やはり定期的な巡回と点検は大切です。
水道の凍結対策
寒冷地では、水道管が凍結しやすく、最悪の場合、破裂して大きな水漏れを引き起こす可能性があります。水道管が凍結する前に、断熱材を巻いたり、断水するなどの対策を取ることで、破裂を防ぐことができます。また、温度が極端に低い時期には、空き家の水道設備を定期的に稼働させておくことも重要です。一方空き家の場合は、今すぐに使用予定がない場合は水道をとめて置くことが一般的です。水道の契約自体を解約する方もいますし、使用しない間は元栓をしっかりと閉めておくという方もいます。特に冬の間は、凍結対策も兼ねて水道をとめておくこともオススメです。
暖房機器の点検
空き家で長期間使用されていない暖房機器は、故障するリスクがあります。特に冬場に暖房設備が故障すると、寒さが室内に伝わり、建物内部が損傷する可能性があります。空き家の暖房設備を事前に点検し、正常に動作することを確認しておくことが大切です。特にエアコンやストーブなどは、長期間放置していると燃料の不具合が発生する場合もあります。すぐに使う予定がなければ不要な燃料は除いておきましょう。
断熱対策の強化
冬場は外気温と室内の温度差が大きくなるため、断熱性能が不足していると結露が発生し、カビや腐食の原因となります。空き家の窓やドアの隙間を埋めることや、カーテンやブラインドを使用して冷気の侵入を防ぐことが、断熱対策として効果的です。また、壁や天井に隙間がないかチェックし、必要に応じて補修を行うことも重要です。
セキュリティの強化
空き家が長期間無人であると、空き巣や不法侵入のリスクが高まります。冬の時期には特に暗くなる時間が早いため、警戒が緩みがちです。防犯カメラを設置したり、外部照明を点けっぱなしにするなど、セキュリティを強化することが推奨されます。また、周辺住民との連携を強化し、不審者がいないかチェックすることも有効です。
屋根や外壁のチェック
冬季には雪や氷の重みで屋根や外壁にダメージが加わりやすいです。屋根に積もった雪や氷が溶けて水漏れを引き起こすことがありますし、雪の落下で外壁が傷つく可能性もあります。また崩壊などが発生した場合は、敷地内だけではなく道路や歩道を塞いでしまうような事態に発展してしまこともあります。近隣住人に被害が発生したり、近隣住民の生活の妨げになる可能性もあります。定期的に屋根や外壁をチェックし、損傷がないか確認しておくことで、予期せぬ修理費用を防げます。特に積雪が多い地域では、雪を取り除く作業が必要です。
空き家の家主としてやっておくべきこと
冬は特に空き家のトラブルが発生しやすい時期ではありますが、空き家の家主としては、空き家を所有したタイミングでやっておいた方がいいこともあります。季節にあった季節ごとの管理ももちろん大切ではありますが、普段から空き家の管理に意識を向けることで、今後空き家に関するトラブルを防ぐこともできるようになります。そこでここでは、空き家の家主としてやっておくべきことについてお話をしていきますので、これからご紹介する内容も参考にしてみてくださいね。
現在の空き家の状態を把握しておく
お住まいの住宅から空き家の所在地が遠い場合、あまり頻繁に空き家の状態を確認することができない方も多いかと思います。しかし冬は、解説をしたように空き家のトラブルが起きやすい時期でもあります。実際にトラブルが発生してからでは、現場確認、復旧作業、修繕費用などさまざまな負担がのしかかってきてしまいます。そのため、空き家を所有されている方は冬になる前に一度、実際に空き家を見に行き問題がある箇所がないか確認しておくことが大切です。万が一問題がある場合は、本格的な冬が到来する前に修理をしておくと安心ですよ。
近隣住人へ声がけをしておく
近隣住人からすると、近所にある家が空き家かどうか判断がつきにくいこともあり、空き家にトラブルが発生してもすぐに家主に情報が届かないなんてこともあります。そのため、空き家を所有している方は、できれば近隣住人の声がけをしておくといいでしょう。空き家であること、きちんと管理をしていること、万が一異変があったら知らせてほしいことなどを伝えておくと、離れた場所に住んでいても空き家の所在地である近隣住人の方とのコミュニケーションがスムーズに進みやすくなります。また、近隣住人の目があるため、家主が気付けないトラブルや小さな異変も情報が入ってきやすくなります。空き家を管理するうえでは、近隣住人との信頼関係や定期的なコミュニケーションも必要なのです。
管理をしていることが分かるようにする
空き家のトラブルに巻き込まれないために重要なことのひとつは、空き家をしっかりと管理していることが他人から見ても分かる状態にしておくことです。当然人が住んでいなければ、カーテンや雨戸、電気の状態などである程度人気がないことが分かります。しかし、明らかに手入れがされていない庭や、入りきらないほど郵便物がつまった郵便受け、放置されたゴミなどがある場合は、誰が見ても管理されていない空き家であることが多いです。こうした空き家は不法投棄や不法侵入の現場になりやすいため、注意しなければいけません。そのため、外観や敷地内をきれいに清掃しておくことで、「この場所はきちんと管理されている空き家ですよ」ということを見て分かる状態にしておく必要があります。定期的に現地を訪れて掃除をしたり、時に室内の換気をしたり、郵便受けの管理をしっかりとしておきましょう。
プロの業者に管理を委託する
空き家の家主であっても、「海外や遠方に住んでいて定期的に現地を訪れることができない」「仕事が忙しくて空き家の掃除をする時間がない」「空き家の点検について知識がなく、なにをすればいいか分からない」そんなお悩みを抱えている方も多いかと思います。こうしたお悩みがある方は、プロの業者に空き家の管理を委託するのもひとつの方法です。プロの業者に管理を委託することで、空き家をきれいな状態に保つだけではなく、プロの目線でしっかりと点検をしてもらうことで今後必要な修繕計画なども立てやすくなります。
まとめ
今回は冬に起きやすい空き家のトラブルや注意しておきたいこと、また空き家の家主としてやっておくべきことについて、お話をしてまいりました。いかがだったでしょうか。実際にトラブルに巻き込まれてしまったり、新たに所有者になるなどして、空き家の管理にお悩みの方も多いかと思います。そんな方はぜひ一度、弊社の空き家管理のサブスク「すみやす」をご検討ください。お客様の現状に沿って必要なプランを提案させていただきます。またサブスク形式であるため、必要に応じたスポット利用なども可能ですよ。空き家に関するご相談などございましたら、お気軽にご連絡くださいね。今後も当コラムでは、空き家管理の有益な情報を発信していきますので、ぜひご活用ください。