近年、空き家の問題は多くの地域で深刻になっています。日本全体で空き家の数は年々増加しており、その管理が不十分だと、さまざまなリスクを引き起こす原因になりかねません。しかし、空き家を放置することでどんなリスクが生じるのか知らないという方も多いです。空き家が劣化していく過程は見過ごされがちですが、実際にはその状態が悪化することで、物理的な損害だけでなく、周囲への影響や法律的な問題も発生することがあります。そこで今回の記事では、空き家放置のリスクとそれを回避するための対策方法について詳しく解説していきます。
空き家を放置するリスク

空き家を放置することは、見た目の問題だけではなく、実際にはさまざまなリスクを引き起こす原因となります。長期間管理されない空き家は、建物自体の劣化を進行させるだけでなく、防犯面や周囲の環境にも悪影響を与えることが多いです。これらのリスクを放置しておくと、最終的には大きな問題に発展する可能性があります。では、空き家を放置することでどのようなリスクがあるのか、一緒に確認していきましょう。
建物の劣化と構造的なリスク
空き家を放置すると、最も深刻な問題の一つが建物の劣化です。屋根や外壁が外的な影響を受けることで、雨水が浸入したり、湿気が溜まったりすることがあります。このような状態が続くと、建物の構造部分にカビや腐食が発生し、最終的には修繕が難しくなる場合があります。特に雨漏りや湿気の影響で、建物内部がダメージを受けると修復費用がかさむことになり、資産価値が大きく下がることになります。
防犯リスクと犯罪の誘発
空き家は不法侵入者にとって絶好のターゲットになります。人が住んでいないという点を悪用して、不法侵入や窃盗などの犯罪が行われる可能性が高くなります。特に外部からの視界が悪く、周囲に人気がない地域では、空き家が隠れ家や犯罪の拠点となることもあります。放置されている空き家は、近隣住民にも不安を与え、地域全体の治安を悪化させる要因になりかねません。
周囲への迷惑と地域住民とのトラブル
草木が生い茂り、外観が荒れ放題の空き家は、周囲にとっても大きな迷惑となります。過度に伸びた草や枝が隣の敷地に侵入することで、近隣住民とトラブルになることがあります。また、草木が放置されていると、害虫や害獣が発生し、これが家屋や周囲の環境に悪影響を与えることも。放置された空き家は、見た目にも悪影響を及ぼし、地域の美観や価値を低下させる原因になります。
火災のリスク
乾燥した季節になると、草や落ち葉が積もった空き家は火災のリスクが高まります。放置された草や枝は、風で飛ばされて近隣に火を引き起こす可能性があります。特に冬の乾燥時期や春の風が強い日などは、火災が広がりやすく、周囲の家屋に危害を及ぼす可能性もあります。空き家が火災の危険源となることで、近隣住民に多大な迷惑をかけるだけでなく、重大な事故を引き起こすこともあります。
法的リスクと罰則
空き家が放置されることで、自治体からの指導や行政処分を受けることがあります。特に、特定空き家や管理不全空き家に指定されると、固定資産税が高額になったり、改善命令が出されることがあります。これに従わない場合、罰金が科されることもあります。また、近隣住民から苦情が寄せられると、法的トラブルに発展する可能性もあり、放置を続けることは思わぬ経済的負担を強いられる結果となります。
◎参考:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報
国土交通省公式ホームページ
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
空き家放置によるリスクを防ぐためにできる対策

空き家を放置しておくと、さまざまなリスクが発生しますが、それらのリスクを防ぐための対策を講じることができます。定期的なメンテナンスや管理を行うことで、空き家の劣化を防ぎ、周囲への影響を最小限に抑えることが可能です。ここでは、空き家放置によるリスクを防ぐための具体的な対策をいくつか紹介します。
定期的な建物のチェックとメンテナンス
空き家を管理する際、最も重要なのは建物の定期的なチェックです。屋根や外壁の状態を確認し、ひび割れや腐食があれば早期に修理を行うことが、長期的に見て費用を抑えるために効果的です。また、窓やドアの開閉状態を確認し、防犯面でも問題がないかを確認することが大切です。定期的なメンテナンスを行うことで、建物が劣化し、後々大きな修理費用がかかるのを防ぐことができます。
草木の手入れと害虫対策
草木の手入れは、空き家管理において欠かせない作業です。草が伸びすぎると、見た目だけでなく、害虫や害獣の発生原因にもなります。定期的に草木を剪定し、周囲に迷惑をかけないようにしましょう。また、害虫対策としては、シロアリやネズミのチェックを行い、被害が拡大しないように早期に対処することが重要です。これにより、建物の構造に影響を与える害虫の発生を防ぐことができます。
防犯対策とセキュリティの強化
空き家は防犯リスクが高くなるため、防犯対策をしっかりと行うことが重要です。近隣住民に不安を与えないよう、定期的に空き家の状態をチェックすることはもちろん、防犯カメラやセンサーライトを設置することも有効です。また、定期的な巡回を行うことで、不法侵入や犯罪を未然に防ぐことができます。空き家が安全な場所であることを周囲に示すことが、犯罪のリスクを減らす鍵となります。
近隣住民との連携
空き家の周囲に住んでいる人々とのコミュニケーションを取ることも、リスクを減らすための有効な方法です。もし問題が発生した場合、近隣住民から早期にフィードバックを受け取ることで、迅速に対応することができます。また、空き家が放置されていると近隣住民に不安や不快感を与えることがあるため、定期的な連絡を取り、管理状態について意識を共有することが大切です。
自分で管理できない場合の対処法

空き家を所有している方のなかで、「管理をしたいけれど遠方にいて簡単に駆け付けられない」「定期的に見回りするのは忙しくて難しい」という方も多いです。しかし空き家を所有している以上、空き家を放置することはできません。では、空き家の管理を自分で行うのが難しい場合、どのように対応すればよいのでしょうか。ここでは、自分で管理できない場合の効果的な対処法をご紹介します。
空き家管理サービスの利用
最も手軽で効果的な方法は、空き家管理サービスを利用することです。これらのサービスは、定期的な巡回、草木の手入れ、防犯対策、建物のチェックなどを代行してくれます。遠方に住んでいる場合や仕事が忙しくて時間が取れない場合でも、業者に依頼することで、空き家を安心して管理できます。多くの空き家管理サービスは、月額制や定期契約に対応しており、予算に合わせたプランを選ぶことができます。
地元の管理業者に依頼する
地元の管理業者に依頼することも一つの方法です。地域に密着した業者は、空き家の管理に関する経験や知識が豊富で、地域特有の問題にも対応できます。例えば、積雪地域では雪下ろしを定期的に行ってくれる業者や、夏場の草刈りを行ってくれる業者がいます。地域ごとに異なる気候や環境に適した管理方法を提供してくれるため、安心して依頼できます。
知人や親戚に頼む
もし信頼できる知人や親戚が近くにいる場合、お願いして管理を手伝ってもらう方法もあります。もちろん、空き家の管理は負担が大きいので、定期的なメンテナンスや訪問が必要なことを理解してもらい、しっかりと協力体制を築くことが大切です。また、報酬やお礼を事前に相談しておくことで、双方が納得できる形で協力関係を結ぶことができます。しかし一方で、知人や親族に依頼することで、万が一トラブルが発生した際の責任の割合が難しくなってしまい、関係が悪化してしまうなんてこともあります。空き家とはいえ資産のひとつであるため、信頼関係がある人に依頼することが大切です。
売却や転売を検討する
自分で管理するのが難しい場合、最終的には空き家を売却するという選択肢もあります。売却前に不動産業者に相談し、空き家の価値を査定してもらうことが重要です。売却によって得られた資金を、次の住居や他の投資に充てることができます。もし売却に踏み切る場合でも、管理をしっかり行い、できるだけ状態を良く保っておくことで、より高い価格で売却できる可能性が高まります。
空き家管理をプロに依頼するメリット

先ほど触れた「空き家管理サービス」という言葉を、初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。空き家管理をプロの業者に依頼することは、空き家をしっかり管理していくうえで最もオススメな管理方法であるとも言えます。また近くに住んでいるという方でも、空き家管理を依頼するメリットはあります。ここでは、空き家管理をプロに依頼するメリットについて詳しく解説していきます。
定期的なチェックと早期発見
プロの空き家管理業者は、定期的に物件を巡回し、建物の状態をチェックします。これにより、劣化や不具合を早期に発見することができます。例えば、屋根や外壁のひび割れ、雨漏り、シロアリの発生など、目に見えにくい問題でも専門家の目で確認できるため、大きなトラブルに発展する前に対処が可能です。自分では気づきにくい問題も、プロならではの知識と経験で早期に発見できます。
予防的なメンテナンスと改善
空き家を放置しておくと、建物の劣化が進みやすくなりますが、プロに依頼することで、予防的なメンテナンスを行い、劣化の進行を防ぐことができます。定期的な草刈りや害虫対策、屋根の掃除など、空き家に必要なメンテナンスがプロの手で適切に行われるため、将来的な修繕費用を抑えることができます。これにより、空き家の資産価値を保ちつつ、維持管理の手間を減らすことができます。
防犯対策の強化
空き家は放置されていると、不法侵入者や犯罪者に狙われやすくなります。プロの管理業者は、防犯対策として、定期的な巡回や監視カメラの設置、センサーライトの設置などを行います。さらに、万が一の事態に備えて、業者と連携して迅速に対応できる体制を整えてくれるため、空き家を安全に保つことができます。これにより、犯罪のリスクを大幅に減らすことが可能です。
法的リスクの回避
空き家を放置していると、自治体から指導を受けたり、最悪の場合、罰則が科されることがあります。プロに管理を依頼すると、行政との連絡や対応を業者が代行してくれるため、法的なトラブルを避けることができます。また、自治体が推奨する適切な管理方法を業者が実施してくれるため、法律を守りながら空き家を適切に維持できます。特に「特定空き家」に指定された場合など、早期に対応することが重要です。
時間と手間の節約
空き家の管理には定期的な作業や対応が必要ですが、仕事や生活に忙しくて手が回らないこともあります。プロに依頼することで、空き家の管理にかかる時間や手間を大幅に削減できます。業者は専門的な知識と経験を持っているため、効率的に管理を行い、何か問題が起こった場合でも迅速に対応してくれます。自分で管理する手間を省き、安心して空き家を保有することができます。